一周忌を迎えるまでの期間は、お祝い事などを避け、
初詣も行かず、年賀状も出さないことが通例です。
故プミポン国王はタイ国民にとって「父」なる存在
(或いはそれ以上の存在)でしたから、
公務員や政府関係者の喪服期間が一年間と聞いても、
さほど驚くことではないと思います。
日本の方々の大半は驚かれていましたが、
一年喪に服すからと言って、
非常事態に陥っているわけではありません。
混乱もなく、平穏です。
物流もストップしていません。
変化があったと言えば、
家を出ると目に入るモノが「モノクロ」になったことです。
道行く人々の装いも、店舗のディスプレイも。
↑こちらの画像をご覧下さい、昨日撮ったものです。
整然と並ぶ黒一色の洋服。
この用意周到ぶりには、度肝を抜かれました。
亡き国王はこの2年ほどご容態が不安定でしたので
万が一に備えていたのでしょうが、
とはいえ、さすが情報戦に長けており敗戦を免れた
ここ「タイ王国」に生きる人々の成せる業だと思いました。
前向きです、たくましいです。
モタサイの運転手さんも警備員さんも
黒い服を着て、いつも通り働いていました。
お休みすると思っていたメーバーンさんも
お掃除に来てくれました。
娯楽施設は無音営業や臨時休業もあるようですが、
一般的な商業施設や飲食店の大半は、通常通り営業しています。
(一部のお店はお酒の販売を控えているようですが)
きっと、敬愛するお父様が礎を築いてくれた
この国の経済活動を鈍化させまいと、
哀しくても涙をこらえ、踏ん張っているのです。
このようなタイの人々に
見習うべくことは多いと感じた一日でした。